ティーバッティングは、バッティング前のウォーミングアップみたいな位置づけに思われますが、本来は重要な意味があります。
目的意識を持ってティーバッティングを行えば、自分に合ったインパクトの位置が感覚的に理解でき、バッティングが変わります。
この記事では、
・ティーバッティングの目的や効果
・ティーバッティングの4つの方法
などをパーソナルトレーナー歴11年の伊藤出が解説します。
今回の記事の内容
ティーバッティングの目的や効果
ティーバッティングは、そもそも何のために行うのでしょうか?
インパクトの位置が感覚的に理解できるようになる
ティーバッティングや置きティーなどは、
インパクトの位置を、感覚的に理解するために行うことが目的
です。
適切なインパクトの位置については「バッティングのインパクトで最大の力を発揮する4つの方法」で解説しています。
いきなりバッティングをすると、ある程度速いボールを打つことになりますが、その前段階としてティーバッティングを行います。
そうすると、より適切な位置でインパクトを迎えることができ、結果的に良いバッティングができるようになります。
踵で地面を押す感覚を掴む
もう1つの目的や効果としては、下半身を適切に使えるようにすることです。
必ずティーバッティングで行う必要があるわけではありませんが、踵で地面を押すようにティーバッティングをすれば、
・無意識の中でも下半身の力をうまく発揮できる
・内転筋を適切に使えるようになる
・打球が飛びやすくなる
など、さまざまな効果が期待できます。
その他にも目的と方法を考えて実践すれば、さまざまな効果を実感できますが、ティーバッティングの主な目的や効果は、
・インパクトの位置を感覚的に掴む
・下半身を適切に使えるようにする
などになります。
目的意識がないと効果や意味はない
僕が現役で野球をしていたときは、こういった目的意識を持たず、ウォーミングアップ的な位置づけでティーを行っていました。
このように、目的意識がない状態で行うティーバッティングは、本当にただトスされたボールを打っているだけになってしまいます。
ですので、必ずティーバッティングや置きティーを行う場合は、目的意識を明確にしておく必要があります。
では、こういった効果を引き出すためには、どのようにティーバッティングを行えばいいのでしょうか?
ティーバッティングの練習方法①:適切なインパクトの位置でボールを打つ
現場で活用して最も効果があるのが、以下の方法です。
インパクトの位置にボールを投げてもらう
先ほどお伝えした通り、ティーバッティングの目的はインパクトの位置を感覚的に理解することなので、その位置にボールを投げてもらい打ちます。
トスも人間があげるため、毎回微妙に位置が違うと思いますが、それを自分に合ったインパクトの位置で捉えるようにします。
実際ティーバッティングをしているときの感覚としては、
・もう少し前でインパクトを迎えた方がいいのか
・腕を伸ばし気味の方が良いのかな
・もっとバットを前に投げるイメージで打った方が良い
など、常に自分の感覚と打球を比べ、最適な位置を探ります。
こういった感性を育てることが野球選手にとっては非常に重要であり、高いレベルを目指すのであれば必須なんですね。
上から落ちてきたボールを打つ
こういった目的でティーバッティングをするとき、トスされたボールは下から上の軌道になっていることが多いはずです。
実際、バッティングの局面で下から上がってくるボールを打つことはないですよね。
これはバッティングと合わせる必要があり、トスするボールは少し浮かせて、落ちてきたところを打つようにします。
その中で、自分に合ったインパクトの位置でボールを打ちます。
こういったやり方でティーバッティングをすれば、実際のバッティングに活かせるというわけです。
ティーバッティングの練習方法②:連続ティーを行う
上記でメインのティーバッティングのやり方をご紹介しましたが、インパクトの位置を感覚的に掴むにはある程度数をこなす必要があります。
そのために活用できるのが、「連続ティー」です。連続ティーは、
・5球
・10球
などの数を決め、スイングスピードが落ちない状況で連続的にボールを打っていきます。イメージは、以下の通りですね。
連続ティーのやり方
1、まず最初に、踏み込んだ状態の足幅をとる
2、バットを構え、軸足に体重を乗せる
3、ボールを投げてもらい、ボールを打つ
4、ボールを打ったらすぐに最初の構えに戻し、連続的に打つ
5、これを5球 or 10球打つ
連続ティーをやめるタイミングは、スイングスピードが落ちてきたタイミングで終えるようにします。
そうすると疲労を溜め込まず、次の日も良い状態でバッティングができるようになります。
ティーバッティングの練習方法③:置きティーを活用する
現場でも時々トスすることがありますが、意外と投げる側も難しいんですね。そういった場合は、置きティーを活用します。
置きティーは、こういう台において行う方法ですね。
置きティー用の道具も安くであるので、こういったものがあれば1人でも練習できます。
個人的には上からボールが吊るされている方が打ちやすいので、こういったものを活用してインパクトの位置を掴んでいくのもおすすめですね。
プロ野球を目指す社会人選手でも活用しているので、技術向上を目指す選手には活用してほしい道具の1つです。
置きティーの活用方法
置きティーの活用方法は、自分が一番感覚よく打てるインパクトの位置にボールを設定し、打つだけです。
投げてもらうよりもボールの位置が毎回同じに設定できるので、適切なインパクトの位置を感覚的に掴みやすくなります。
こういった道具を活用して、上記と同じ要領でティーバッティングを行えば、バッティングも向上します。
ティーバッティングの練習方法④:踵で地面を押す
4つ目の方法は、踵で地面を押す感覚を掴むためにティーバッティングを行う方法です。
具体的な方法
1、ティーネットの前で、普段通りにバットを構える
2、軸足に体重を乗せる
3、このとき、踝真下に体重を乗せる
4、踝真下で地面を押すように体重移動を行う
5、その流れの中で惰性でボールを打つ
イメージとしては、こういった感覚でボールを打ちます。
体重を乗せる位置については、「野球の打ち方やバッティングフォームを習得する4ステップ」で詳しく解説しています。
練習方法のポイント
このティーバッティングのポイントは、ボールを打つことではありません。
その前に行われる、
・軸足に体重を乗せる
・踝真下に体重が乗る
・踝真下で地面を押す
この局面に最も意味があり、踝真下で地面を押すことができると、下半身の力をボールに伝えやすくなります。
似たような方法は「バッティングのインパクトで最大の力を発揮する方法」でも紹介していますが、こういった下半身の使い方の習得はパフォーマンスが変わりやすいんですね。
ですので、こういった下半身の使い方の習得を目的にしたティーバッティングの練習方法もおすすめです。
おすすめできないティーバッティングの練習方法
逆に、個人的におすすめできないティーバッティングの練習方法は、以下の通りです。
目的のない状態で何となく行う
先ほども触れましたが、最も避けてほしいのは、
目的のない中でティーバッティングを行う
ということです。
これは本当にただボールを打つということになるので、ウォーミングアップとしてはいいのかもしれませんが、先につながる効果が見込めません。
ですので、ティーバッティングを行う時は、必ず目的を整理・明確にすることが重要です。
真横から投げるティーバッティング
真横からティーバッティングが行われることもありますが、これはおすすめできません。
実際に現場でも試したことがありますが、
・インパクトの位置が中側に入りすぎる
・手首をこねるような癖がつく
・手打ちのような動作になる
など、マイナス面が多く出ました。
実際の野球では前からボールがくるため、真横からのティーバッティングは野球の特異性を考えても、あまり効果は期待できないと思います。
後から投げるティーバッティング
これも僕が現役のときによく行っていましたが、上記でもお伝えした通り、野球は前からくるボールを打つ競技です。
後から投げるティーバッティングの目的は、「バットを前に出せるように」と言われますが、この場合はフォロースルーを変えることです。
以下の記事でお伝えしているようなフォロースルーに変えれば、バットは前に出るようになりますね。

ですので、後から投げられるボールを打つティーバッティングも、個人的にはおすすめできません。
このように、ティーバッティングの目的を理解して適切に実践ができると、パフォーマンス向上につながるのでぜひ参考に実践してみてください。
今回は以上です。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
バッティングの参考になりそうな記事も貼っておくので、こちらも参考にどうぞ。
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