筋トレをすると「便秘」や「下痢」になることがありますが、筋トレ後の過ごし方を変えると改善することができます。
特に体幹周辺の筋肉を鍛えた後、適切に筋肉を緩めなければ「便秘」や「下痢」になる可能性が非常に高いんですね。
この記事では、
・筋トレ後に便秘や下痢になる原因
・筋トレ後に起こる便秘や下痢の改善方法
などについてパーソナルトレーナー歴11年の伊藤出(@izuru_style)が解説します。
今回の記事の内容
筋トレ後に便秘や下痢になる原因
筋トレ後に便秘や下痢になる原因は、以下のことが考えられます。
筋トレ後に筋肉を緩めていない
まず考えられることは、ハードなトレーニングをした後、
体幹周辺の筋肉を緩めていない
ということが考えられます。
例えば、筋トレで体幹周辺を鍛えるとします。その後適切なクールダウンをしないと、筋肉が硬くなってしまうことがあるんですね。
人間の体はつながりがあり、
・腹筋
・背筋
・殿筋(お尻の筋肉)
・腸腰筋
こういった体幹周辺の筋肉が硬くなることで、腸の働きが悪くなります。
実際に僕自身も経験がありますが、腹直筋下部あたりが過度に硬くなってしまうと、便秘の確率が高くなるんですね。
この繋がりを簡潔にいうと、
・筋トレで筋肉が硬くなる
・腸の働きが悪くなる
・便秘になる
という関連性が考えられるわけです。
元々筋肉が硬くなっている方の場合、適度な筋トレであれば逆に便秘の改善につながります。
ただハードなトレーニングで筋肉を追い込んだ後、適切に筋肉を緩めないと高い確率で上記でお伝えしたようなことが起こるんですね。

おそらく筋トレ後に便秘になる方は、こういったことが体内で起こっているはずですね!
ハードなトレーニングで自律神経が乱れてしまう
またハードなトレーニングを行っている方の場合、
・働きすぎ
・睡眠不足
・生活習慣の乱れ など
こういった事が重なっている場合、自律神経が乱れてしまう可能性があるんですね。
体内がストレス過剰となり、興奮状態になってしまうことで腸の働きが悪くなる。
腸などの内臓は、
筋トレと自律神経の関係は以下の記事で詳しく解説しているので、よかったらこちらも参考にしてみてください!・リラックス状態=働きが活発になる
・ストレス状態=働きが悪くなる
という特徴があります。
ですので、ハードな筋トレによって自律神経が乱れてしまい、その結果便秘になることが考えられます。

体幹周辺の筋肉追い込みすぎ
ここまでは便秘になる原因でしたが、続いては筋トレ後に下痢になる原因です。
これも僕自身経験がありますが、
筋肉を過度に追い込み、炎症反応が高くなると下痢になる
ということが考えられます。
例えばハードに筋肉を追い込むと、その筋肉は非常に熱を持ちますよね。
・スクワット
・デッドリフト
・ベンチプレス
こういった大筋群を鍛えるようなトレーニングを、高重量でハードに行った場合、体幹周辺のストレスが非常に大きくなります。
そしてオーバーワーク気味になった時、腸付近で炎症や熱がこもることで下痢になることが考えられます。
おそらく筋トレ後に下痢になる方は、オーバーワークの可能性が高いかもしれません。

オーバーワークについては以下の記事で解説しているので、こちらも参考にしてみてください!
プロテインを飲んでいる
また筋トレ後に下痢になる方は、プロテインを飲んでいませんか?
その方の場合、筋トレ内容よりプロテインが原因で下痢になってる可能性が高いと思います。

ここは重要なので、少し深堀していきます!
プロテインに含まれる乳糖
プロテインの成分の1つに乳糖(にゅうとう)といって、
・ブドウ糖
・ガラクトース
という2つの単糖類から構成される炭水化物があります。この乳糖は、牛乳などにも含まれている糖分のことですね。
乳糖は単糖類に分解する必要がある
プロテインに含まれる乳糖を吸収するためには、ラクターゼという酵素が必要になるんですね。
このラクターゼという酵素は、小腸の空腸といわれる細胞内に最も多く存在しています。
プロテインを飲んで小腸に入ってくると、ラクターゼが乳糖に働きかけ、
・ブドウ糖
・ガラクトース
などに分解され、腸管から吸収されて血液の中に入って代謝の過程をたどります。
ラクターゼの活性化は出生直後が最大
僕ら人間は、生まれてすぐにお母さんのおっぱいを飲んで成長しますよね。
このとき、ラクターゼの活性化が最も高まり、乳糖から得られる栄養を吸収しやすくなっています。ただ、年齢を重ねていくとラクターゼの活性化は衰えていくのが自然です。
ラクターゼの処理能力が衰えた状態に乳糖が入ってきてしまうと、小腸で乳糖が消化しきれずそのまま大腸に届くようになります。
乳糖が大腸に届くとおならや下痢が発生する
乳糖が大腸に届くと、元々大腸にいた細菌が反応したり、乳糖を異物として認識して処理をしようと腸内が反応します。
その結果、
・細菌が反応して、乳糖をガス・二酸化炭素・乳酸に変換する
・腸内の水分量が増加する
・ガスと水分が増すことで、下痢やおなら、げっぷなどが出やすくなる
という反応が起こります。
日本人は乳糖不耐が約85%
乳糖不耐(にゅうとうふたい)というのは、以下の通りです。
「乳糖不耐症(にゅうとうふたいしょう)」は、牛乳の中に含まれる「乳糖(ラクトース)」を消化吸収のため分解するラクターゼという消化酵素の、小腸での分泌不足が原因で起こります。
先ほどもお伝えした通り、大人になるとラクターゼという酵素の活性化が低下しますが、
日本人では約85%の方が乳糖不耐
だと言われています。
プロテインなどで乳糖を摂取すると、日本人の多くは乳糖を処理しきれないために、おならや下痢が出やすくなるというわけです。
このように筋トレ後に便秘や下痢になる原因は様々ですが、どうすればこういった症状を改善することができるのでしょうか?
筋トレ後になる便秘や下痢の改善方法①:筋トレ後に体幹周辺を緩める
まず行ってほしいことは、
筋トレ後に全身の筋肉を緩めること
です。
もし時間がない方は、まずは体幹周辺だけでもいいので筋肉を緩めてみてください。そうすると今までと違った変化が出ると思います。
具体的な方法としては、
・うつ伏せから体を反らす
・股関節の前側を伸ばす
・お尻の筋肉を伸ばす
・前屈や開脚をして、腰回りを伸ばす
などの方法を各2分間ずつ行います。
そうすると体幹周辺の筋肉が緩み、今まで感じていた便秘や下痢を改善することができるはずです。
この具体的な方法は以下の動画で解説しているので、こちらの動画を参考に実践してみてください。
筋トレ後になる便秘や下痢の改善方法②:お腹周りを揺らして緩める
さらに実践してほしいことは、お腹周りの筋肉を揺らして緩めるということです。
お腹周りの筋肉を揺らすことで、
・お腹全体の筋肉が緩む
・お腹周辺の血流が改善する
・同時に腸の働きが良くなる
こういった反応が出るんですね。
これは上記でお伝えしたストレッチングと合わせて行うことで、より効果を実感しやすくなるはずですね。
ですので体幹周辺の筋肉を緩めた後に、以下のような方法でお腹周りを揺らしていきます。
具体的な方法は、「胃のあたりがぽっこり出る原因と筋トレ以外で引っ込める3つの方法」や以下の動画を参考に実践してみてください。
筋トレ後になる便秘や下痢の改善方法③:筋トレ中に身体を揺らす
また筋トレ後の対応だけではなく、
・セット間
・種目間
などのタイミングで、鍛えてる部位をぶらぶら揺らすようにしてみてください。
そうすると筋トレ後に硬くなりすぎる筋肉は、非常に柔らかい状態で維持できるんですね。
こういった方法は疲労回復にも役立ちますし、乳酸を代謝できてよりエネルギーを作り出すことができます。

この方法は以下の記事で解説しているので、こちらの記事を参考に実践してみてください!
筋トレ後になる便秘や下痢の改善方法④:自律神経を整える
日頃筋トレ以外のストレスが多い方は、合わせて自律神経を整えることも必要になります。
先ほども解説した通り、自律神経と腸の働きは密接な関係があります。自律神経を整えることで、
・心身ともにリラックスする
・腸の働きが良くなる
・または腸の働きが整う
・結果便秘や下痢の改善につながる
という関連が考えられるんですね。
自律神経を整えるために必要なことは、
一定のリズムを感じる
ということです。それと合わせて適切な栄養摂取ができれば、今悩まれてる便秘や下痢の改善につながるはずですね。
自律神経を整える具体的な方法は、「筋トレで自律神経・メンタルが悪化する原因と整える5つの方法」を参考にしてみてください。
筋トレ後になる便秘や下痢を改善するその他の方法
また上記の内容で便秘や下痢の改善がみられない場合、以下のことも参考に実践してみてください。
一週間程度筋トレを休む
もし下痢が続いてストレッチングなどをしても改善がみられない場合、もしかするとオーバーワークの可能性があります。
こういった方の場合、一週間程度筋トレを休めば下痢が改善するはずです。
もし、
・疲労がなかなか抜けない
・微熱が続いている
・筋トレのやる気が起こらない
・筋トレの記録が伸び悩んでいる
こういったことに当てはまる方は、オーバーワークの可能性が高いと思います。
「オーバートレーニング症候群かも?筋トレのやりすぎで起こる症状と5つの対策」を参考に、適切な対応することをお勧めします。
プロテインをやめる
もしプロテインを飲んで下痢になってしまってる方の場合、上記でお伝えした通りプロテインが体に合わない可能性があります。
この方の場合、プロテインを飲まずに食事を変えることで適切な栄養摂取はできるんですね。
ですので、思い切ってプロテインをやめてしまうのも一つの手だと思います。
プロテインを飲まずに筋トレ成果を上げる方法は、以下の記事で解説しているので参考にしてみてください。
大豆(ソイ)プロテインに変える
もしホエイプロテインを飲んでいる方は、乳糖が入っていないソイプロテインに変えれば症状が改善するかもしれません。
どうしてもプロテインを飲みたい方は、以下のようなものがおすすめですね。
・SAVAS ソイプロテイン(粉末)
・Kentai ソイプロテイン(タブレット)
こういった植物性たんぱく質をメインで摂るようにすれば、プロテインを飲んでもおならや下痢は改善できます。
腸を活性化させる
筋トレ後の便秘に悩まれる方は、
・納豆
・ヨーグルト
・発酵食品
こういったものを意識的に食べ、体の中から腸を刺激することも一つの方法です。
特に女性の場合、こういった食べ物を意識的に食べるだけで、便秘の改善につながるケースが非常に多いんですね。
この辺りについては「太りたいのに太れない方必見!3ヶ月で10kg体重を増やした筋トレ+食事内容」の中で詳しく解説しているので、こちらを参考にどうぞ。

こういった一連のことができると、筋トレ後の便秘や下痢は改善できるのでぜひ参考にしてみてください!
今回は筋トレ後に便秘や下痢になる原因と改善方法についてお伝えしていきました。
・筋トレで体幹周辺をハートに追い込んでいる
・そうすると体感周辺の筋肉が非常に硬くなる
・その結果腸の働きが悪くなる
・そして、便秘や下痢につながる可能性がある
・改善のためには筋トレ後徹底的に筋肉を緩める
・お腹周りを揺らし、循環改善を行う
・そうすると便秘や下痢を改善することができる
今回な内容が少しでも参考になれば嬉しく思います。最後までご覧いただき、ありがとうございました!
その他にも筋トレ関連の記事もあるので、こちらもあわせて参考にどうぞ。
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