スロートレーニングとは?効果や10のやり方を解説

トレーニング

スロートレーニングは、老若男女に対して非常に効果的なトレーニング方法のひとつです。

今トレーニングで伸び悩んでいる方は、スロトレを実践するだけでまた違った変化を実感できると思います。

この記事では、

・スロートレーニングの効果
・スロートレーニングのやり方
・スロートレーニングの注意点

などをパーソナルトレーナー歴11年の伊藤出(@izuru_style)が解説します。

 

スロートレーニングとは?

スロートレーニングとは、

文字通り、スローでトレーニングを行う方法のこと

です。

例えばスクワットで言えば、以下のような方法になります。

このように1つの動作をゆっくりと行い、筋肉に負荷をかけていく方法がスロートレーニングになります。

では、このスロートレーニングは、具体的にどのような効果が期待できるのでしょうか?

 

スロートレーニングの効果やメリット

期待できる効果は、以下の通りです。

筋力向上

特に高齢者の方の場合、スロートレーニングを行うと筋力を向上させることができるんですね。

この理由は以下の通りで、

・筋肉にある程度負荷をかける
・その状態で約8秒間で1回反復する
・そうすると、筋肉の血流量が制限される
・筋内は低酸素状態となってしまう
・この状態まで追い込むと筋肥大するホルモンが分泌される
・その結果、低負荷でも筋肉がついて筋力が向上する

こういった一連の流れが起こるからです。

スロートレーニングは自重で行えるため、特に年齢層の高い方や筋トレ初心者は安全に筋力を向上させることができます。

筋肥大

また高齢者に限らず若い年齢層の方でも、スロートレーニングを実践することで筋肉を肥大させることもできます。

特にウエイトトレーニングで伸び悩んでいる方の場合、スロートレーニングを導入することで停滞期を打開できることもあるんですね。

もし伸び悩みや停滞期で悩んでいる方は、「筋トレで起こる伸び悩みや停滞期の原因と4つの改善方法」も参考にしてみてください。

柔軟性の改善

筋肉はある程度力を入れた後、最大にリラックスするという反応が出るんですね。

例えば日頃、

・デスクワーク
・運動不足
・スマホを長時間触る

などの方の場合、筋肉が硬くなっていると思います。

そういう方がスロートレーニングを実践すれば、非常に筋肉を柔らかくなります。

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いずる

その結果柔軟性が改善され、非常に身体もスッキリしていくんですね!

ですのでスロートレーニングでは、筋肉の硬さ・柔軟性の改善も期待できます。

健康維持・向上

硬い筋肉が柔らかくなることで、血流も改善するんですね。

血流が改善することで、

・細胞により栄養素や酸素が届く
・老廃物や二酸化炭素を適切に代謝できる
・細胞内が活性化される

その結果、健康の維持・向上も期待できます。

特に運動習慣がなかった方がスロートレーニングを行えば、より体のスッキリ感を実感できると思います。

このように様々な効果を実感できるスロートレーニングですが、デメリットなどはないのでしょうか?

 

スロートレーニングのデメリット

実際にスロートレーニングを行って感じたデメリットは、以下の通りです。

見た目以上にきつい

スロートレーニングでは、主に軽い負荷を使ってトレーニングを行うんですね。

高重量でもOKですが、軽い負荷なのに、

かなり筋肉が追い込まれてきつい

というのがデメリットだと思います。

もちろん目的によって変わりますが、筋力向上や筋肥大が目的の場合であれば、かなりきついというのがデメリットですね。

筋肉痛が出やすい

スロートレーニングの動作では、筋肉が伸ばされながらストレスを受ける局面があります。

こういう局面を“エキセントリック”と言いますが、この刺激を受けると非常に筋肉痛が起こりやすいんですね。

ですので、スロートレーニング終わった後は非常に筋肉痛が出やすいこともデメリットだと思います。

エキセントリックや筋肉痛については、「筋トレで使う「ポジティブ動作」「ネガティブ動作」や効果などを解説」や「筋トレで筋肉痛にならなくなった3つの原因と改善方法」で詳しく解説しているので、参考にどうぞ。

踏ん張り続けると血圧が上がる

負荷ややり方によりますが、筋肥大を目的としてスロートレーニングを行う場合、あんまり踏ん張りすぎると血圧が上がる可能性があります。

高血圧の方がスロートレーニングを行う場合は、

呼吸の仕方に気をつけ、息を止めるような呼吸法にならないように注意が必要

です。

筋トレ中の呼吸については「息を吐く?止める?筋トレの効果を高める4つの呼吸法」で詳しく解説しているので、こちらを参考にしてみてください。

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いずる

ここではデメリットをお伝えしたものの、スロートレーニングは非常にメリットの多いトレーニング方法なので、ぜひ実践してほしいですね!

では、スロートレーニングを行う場合、具体的にどのようにすればいいのでしょうか?

 

スロートレーニングのやり方:上半身編

まずは、上半身のスロートレーニングをいくつかご紹介します。

1、膝つき腕立て伏せのスロートレーニング

1、地面に膝をつき、腕立ての姿勢になる
2、軽く肘を曲げ、スタートポジションをとる
3、4秒間で体を下げ、4秒間で体を持ち上げる
4、体を持ち上げたとき、肘を伸ばし切らない
5、 肘を曲げた状態で腕立て伏せを繰り返す
6、これを10回行う

2、 ディップスのスロートレーニング

1、椅子に座り、膝を90度に曲げる
2、椅子に腰幅で手を置く
3、椅子からお尻を浮かせ、軽く肘を曲げる
4、脇を締めながら、4秒間で身体を下げる
5、手で押すように、4秒間で体を持ち上げる
6、 肘を曲げたまま繰り返し、10回行う

3、プルオーバーのスロートレーニング

1、ベンチ台に仰向けになる
2、顔の前でダンベルを持ち、肘を曲げる
3、4秒間かけて、頭上にダンベルを下げる
4、4秒間かけて、ダンベルを元の位置に戻す
5、これを10回繰り返す

4、アームカールのスロートレーニング

1、足を肩幅に開き、手にバーベルを持つ
2、軽く肘を曲げ、顎を引いておく
3、4秒間かけて、肘を曲げる
4、4秒間かけて、肘を伸ばす
5、肘が伸び切る手前で、再度肘を曲げる
6、これを10回行う

5、サイドレイズのスロートレーニング

1、脚を肩幅に開き、ダンベルを手に持つ
2、軽く肘を曲げ、ダンベルを持ち上げる
3、4秒間かけて、ダンベルを肩の高さまで上げる
4、4秒間かけて、ダンベルを下げる
5、これを10回行う

6、腹筋のスロートレーニング

1、仰向けになり、両膝を90度に曲げる
2、足元にダンベルを置き、足をかける
3、軽く顎を引き、肩甲骨を浮かせる
4、4秒間かけて、体を丸めるように起こす
5、肩甲骨がつかないように、4秒間かけて体を下げる
6、これを10回行う

続いては下半身のスロートレーニングを紹介しますね。

 

スロートレーニングのやり方:下半身編

下半身のスロートレーニングは、以下のような方法があります。

1、スクワットのスロートレーニング

1、足を肩幅に開く
2、つま先も軽く開く
3、体重を踝の真下に乗せる
4、軽く膝を曲げる
5、4秒間かけてしゃがむ
6、4秒間かけて立ち上がる
7、これを10回行う

2、デッドリフトのスロートレーニング

1、足を肩幅に開く
2、つま先も軽く開く
3、体重を踝の真下に乗せる
4、軽く膝を曲げる
5、4秒間かけてしゃがみつつ、お辞儀をする
6、4秒間かけて立ち上がる
7、これを10回行う

3、スプリットスクワットのスロートレーニング

1、足を前後に大きく開く
2、両手を耳に当て、軽く膝を曲げる
3、4秒間かけてしゃがむ
4、4秒間かけて立ち上がる
5、これを10回行う

4、ヒップリフトのスロートレーニング

1、仰向けになり、両膝を90度に曲げる
2、足を肩幅ぐらいに開く
3、軽くお尻を持ち上げる
4、4秒間かけて、お尻を持ち上げる
5、4秒間かけて、地面ギリギリまでお尻を下げる
6、これを10回行う

このように様々な方法のスロートレーニングできるので、ぜひ参考に実践してみてください。

 

スロートレーニングの注意点

スロートレーニングを行う時の注意点は、以下の通りです。

震えを一つの基準にする

上記のメニューでは基本的に「10回」とお伝えしていますが、筋肉の震えを一つの基準にしてもらえばOKです。

筋肉の中が低酸素状態になると、筋肉は震え出すんですね。これが一つの終了のサインとなるため、筋肉が震えるとそのセットを終えます。

そうすると目的どおりの結果が出るので、震えが出るまできちっと追い込むようにしましょう。

呼吸の使い方を注意する

先ほども少し触れましたが、高血圧の方は息を止めないように注意してください。

またスロートレーニングは、

筋肉の中を低酸素状態にすることが重要

であるため、動作中は基本的に口から強く息を吐きます。

そうすると体内の酸素をより減らすことができ、早く低酸素状態に追い込むことができるんですね。

ですのでスロートレーニング中は、基本的には強く口から息を吐くようにしましょう。

高負荷の使用には注意

筋肥大を目的とする場合、ある程度負荷を用いた方が筋肉は大きくなりやすいです。

ただあまり高負荷を活用してしまうと、かなりハードなトレーニングとなりオーバーワークになる可能性があります。

ですので高負荷を使ったスロートレーニングは、

・強度
・回数
・セット数
・頻度 など

トレーニング変数を適切に設定することが非常に重要になります。

高負荷でのスロートレーニングをやみくもに行ってしまうとマイナスになることもあるので、注意して実践しましょう。

もしオーバーワーク気味の方は「オーバートレーニング症候群かも?筋トレのやりすぎで起こる症状と5つの対策」も参考にしてみてください。

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いずる

ちなみに、セット数などの細かい数値設定などは以下の記事で詳しく解説しています!

【徹底解説】大胸筋が大きくならない原因と大きくする5つの方法
筋トレのインターバル・休息時間は1~5分が目安になる理由

今回はスロートレーニングの効果や、具体的なやり方について解説しました。

今回の内容が少しでも参考になれば嬉しく思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

その他にも筋トレ関連の記事もあるので、こちらもあわせて参考にどうぞ。

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