筋トレのメニューの組み方1つで大きく成果が変わり、うまく組めていないと損をしてしまうかもしれません。
筋トレ中級者以上の方は、分割方法を活用することでより筋トレの成果を実感できると思います。
この記事では、
・筋トレメニューの組み方
・分割法の活用方法
などをパーソナルトレーナー歴11年の伊藤出(@izuru_style)が解説します。
今回の記事の内容
筋トレメニューの組み方:基礎編
まず最初は、筋トレ初心者向けのメニューの組み方を解説します。
1、大きな筋肉から小さな筋肉へ
基本的な筋トレメニューの組み方の1つに、
大きな筋肉から鍛え、小さな筋肉を後で鍛える
ということがあります。
例えば、以下のような感じですね。
・腕立て伏せ(大胸筋)
・懸垂(広背筋)
・アームカール(上腕二頭筋)
・腹筋、背筋
最初に小さな筋肉を鍛えてしまうと、大きな筋肉を鍛えるときに小さな筋肉が先に疲労し、大きな筋肉を追い込めなくなってしまいます。
これが逆であれば両方の筋肉が適切に鍛えられるため、基本的な順番とすれば、
1、大きな筋肉
2、小さな筋肉
となります。
2、フリーウエイトからマシンへ
疲労していない状態であれば身体のコントロールもしやすいため、筋トレの最初辺りにフリーウエイト種目を設定するようにしましょう。

フリーウエイトとは、マシンなどを使わずに行うスクワットやデッドリフトなど、自分で適切な動作を行う必要がある種目のことですね!
疲労してきた段階でマシンを使用すれば、筋肉も追い込めますし、ケガの発生率も低くできます。
ですので、ジムなどで筋トレを行う方の場合は、
1、フリーウエイト
2、マシン
という順にメニューを組むようにします。
3、多関節から単関節へ
そしてもう1つのポイントは、
多くの関節を同時に使う種目から、1つの関節しか動かさない種目へ移行する
ということです。
例えばスクワットの場合、
・股関節
・膝関節
・足関節 など
さまざまな関節を同時に動かすんですね。ただ、アームカールの場合、
・肘関節のみ
が動くことになります。こういった場合は、
1、スクワット
2、アームカール
という順になり、筋トレの後半に向かって動作がシンプルになるようにメニューを組みます。
4、強度などを設定する
そして上記などを基準にメニューを組み、適切な強度・回数などを設定していきます。
この数値に関しては「【徹底解説】大胸筋が大きくならない原因と大きくする5つの方法」や「筋トレのインターバル・休息時間は1~5分が目安になる理由」を参考にご覧ください。
こういったことを考慮し、筋トレ初心者向けのメニューを組めば、以下のようになります。
トレーニング初心者は全身トレーニングでOK
筋トレ初心者の方の場合、筋トレをすれば疲労するのも早く疲労回復にも時間がかかるため、最初は全身トレーニングからスタートすることがおすすめです。
日 | 胸(ベンチプレス) 広背筋(ベントオーバーローイング) 上半身全体(プルオーバー) 下半身全体(スクワット) 下半身全体(デッドリフト) 上腕二頭筋(アームカール) |
月 | OFF |
火 | OFF |
水 | 胸(ベンチプレス) 広背筋(ベントオーバーローイング) 上半身全体(プルオーバー) 下半身全体(スクワット) 下半身全体(デッドリフト) 上腕二頭筋(アームカール) |
木 | OFF |
金 | OFF |
土 | OFF |
こういったメニューで、十分筋肉は肥大します。

ちなみに、僕が3ヶ月間で10kg増量したときの筋トレ内容は、以下の記事で紹介しています!
上記のメニューを半年間位行い、その刺激になれてしまうと分割法を活用した方が筋肉を肥大させやすくなるんですね。
そもそも分割法とは、どのような方法なのでしょうか?
分割法とは
分割法を簡単に説明すると、
1週間の中で筋トレメニューを分割的に配置し、目的を達成するためのメニューの組み方
です。
例えば、
日 | 全身トレーニング(胸・背中・肩・腕・下半身・体幹など) |
月 | OFF |
火 | OFF |
水 | OFF |
木 | 全身トレーニング(胸・背中・肩・腕・下半身・体幹など) |
金 | OFF |
土 | OFF |
というように、1回のトレーニングで全身の筋トレを週2回の頻度で行えば、理論上筋肉がつくことになります。
ただ、1回の筋トレで行うメニュー数が多いため、筋トレ後半には、
・精神的な疲労
・肉体的な疲労
が重なり、トレーニング効果が低下すると言われています。
これだけのメニューをこなせば、当然後半は集中力が低下して追い込みづらいですよね。そういう意味でも、筋トレ効果が薄まってしまう。
そういったマイナス面を補うことができる方法の1つが「分割法」です。
分割法のメリット
分割法を活用することで、1回の筋トレのボリュームは下がり、集中しやすくなります。
その結果、より効率的な筋トレができるというのが分割法の最大のメリットです。その他には、
・精神的、肉体的な疲労を軽減できる
・1回の筋トレ時間が短縮できる
・筋トレを習慣づけやすい
・ケガの予防にもつながる
・リフレッシュした身体で筋トレができる
など、プラスの影響が多いのも特徴の1つですね。
ですので、ある程度筋トレに慣れた方は分割方法を採用するのは、個人的には非常におすすめです。
では具体的にどのように分割法を活用し、トレーニングメニューを組んでいけばいいのでしょうか?
筋トレトレーニングメニューの組み方:分割法編
分割法はいくつもパターンがありますが、具体例としては以下の通りです。
1、上半身&下半身の2分割/週4日筋トレ
2、押す&引くの2分割/週4日筋トレ
3、胸・肩・上腕三頭筋&背中・上腕二頭筋・下半身の2分割/週4日筋トレ
4、胸・肩・上腕三頭筋&背中・上腕二頭筋&下半身の3分割/週6日筋トレ
それぞれ解説しますね。
1、上半身&下半身の2分割/週4日筋トレ(初心者向け)
一番わかりやすい分割法が、
・上半身
・下半身
この2つに分ける方法です。
全身トレーニングを行っていた方は、半分のメニューを1日でこなすことになるため、より集中できますよね。
一例は以下の通り。
日 | 上半身(胸・背中・肩・腕) |
月 | 下半身(大腿部・臀部・下腿三頭筋) |
火 | OFF |
水 | 上半身(胸・背中・肩・腕) |
木 | 下半身(大腿部・下腿三頭筋) |
金 | OFF |
土 | OFF |
僕自身もこの2分割を採用して筋トレを行っていますが、この分割法だと曜日も固定できて筋トレ習慣もつけやすい。
ですので、筋トレ初心者の方にもおすすめの方法ですね。
もし筋トレが続かない方は「筋トレが続かない理由と習慣化する7つのコツ」も参考にご覧ください。
2、押す&引くの2分割/週4日筋トレ
続いての分割法は、ざっくり言えば、
・関節を伸ばす日
・関節を曲げる日
という分け方になります。
先ほどよりも少し複雑になるので、筋トレ初心者は上半身・下半身という分け方の方がいいかもしれません。
実際のメニュー例は、以下の通りです。
日 (押す日) |
胸(ベンチプレス) 肩(ショルダープレス) 上腕三頭筋(トライセップスエクステンション) 大腿四頭筋(レッグエクステンション) 下腿三頭筋(カーフレイズ) |
月 (引く日) |
背中(ベントオーバーローイング) 上腕二頭筋(アームカール) ハムストリングス(レッグカール) ハムストリングス(デッドリフト) |
火 | OFF |
水 (押す日) |
胸(ベンチプレス) 肩(ショルダープレス) 上腕三頭筋(トライセップスエクステンション) 大腿四頭筋(レッグエクステンション) 下腿三頭筋(カーフレイズ) |
木 (引く日) |
背中(ベントオーバーローイング) 上腕二頭筋(アームカール) ハムストリングス(レッグカール) ハムストリングス(デッドリフト) |
金 | OFF |
土 | OFF |
この分け方も、基本的には週4日間の筋トレ日となるので、習慣づけやすいと思います。
3、胸・肩・上腕三頭筋&背中・上腕二頭筋・下半身の2分割/週4日筋トレ(中級者向け)
これは②と少し似ていますが、この分割法の特徴は、下半身の筋トレ効果を最大限に高められること。
先ほどお伝えした上半身・下半身の分け方をしたとき、上半身のメニューである程度下半身が使われたり、背筋の疲労が溜まります。
そうすると、下半身のメニューで行う、
・スクワット
・デッドリフト
などを行ったとき、疲労が早まり十分に追い込みづらくなります。
ただ、以下のような分割の仕方をすれば下半身の筋肉も追い込みやすくなり、下半身の筋肉もつけやすくなるのが特徴です。
日 | 胸(ベンチプレス) 肩(ショルダープレス) 上腕三頭筋(ライイングトライセップスエクステンション) |
月 | 下半身・広背筋(デッドリフト) 大腿四頭筋(ランジ) 広背筋(ベントオーバーローイング) 上腕二頭筋(インクラインダンベルカール) |
火 | OFF |
水 | 胸(ベンチプレス) 肩(ショルダープレス) 上腕三頭筋(ライイングトライセップスエクステンション) |
木 | 下半身・広背筋(デッドリフト) 大腿四頭筋(ランジ) 広背筋(ベントオーバーローイング) 上腕二頭筋(インクラインダンベルカール) |
金 | OFF |
土 | OFF |
この分割法は、下半身の筋肉をよりつけたい方におすすめの方法ですね。
4、胸・肩・上腕三頭筋&背中・上腕二頭筋&下半身の3分割/週6日筋トレ(上級者向け)
最後の分割法は、3分割して1回の筋トレボリュームを増やしつつ頻度も高める方法です。
日 | 胸(ベンチプレス) 肩(ショルダープレス) 上腕三頭筋(ライイングトライセップスエクステンション) |
月 | 背中(ベントオーバーローイング) 上腕二頭筋(インクラインダンベルカール) |
火 | 大腿四頭筋(ランジ) ハムストリングス(デッドリフト) 下腿三頭筋(カーフレイズ) |
水 | 胸(ベンチプレス) 肩(ショルダープレス) 上腕三頭筋(ライイングトライセップスエクステンション) |
木 | 背中(ベントオーバーローイング) 上腕二頭筋(インクラインダンベルカール) |
金 | 大腿四頭筋(ランジ) ハムストリングス(デッドリフト) 下腿三頭筋(カーフレイズ) |
土 | OFF |
これはかなり疲労度も高くなりますが、ボディビルダー級の身体を目指す方は、このように細分化することをおすすめします。
また1日に確保できる筋トレ時間が短い方も、こういう3分割の方法が合っていると思います。

ここまでお伝えした分割方法は一例なので、この他にも自分なりに作ってしまうのも全然ありですね!
このトレーニング内容の中に、
・腹筋
・ふくらはぎ
・前腕
のトレーニングはほぼ記載していません。これらの筋肉は回復が早いため、毎日筋トレをしてもOKです。
ですので、もしこれらもしっかり鍛えたい方は、都合の良いタイミングにプラスしてもらえればOKですね。
前腕などを太くしたい方は「【根本改善】腕が太くならない原因と太くする4つの方法」や「割れない原因も解説!腹筋(お腹)をバキバキに割る5つの方法」も参考にどうぞ。
毎日筋トレしてもいいの?という疑問について
分割法をお伝えするとよく、
筋トレって毎日してもいいの?
という疑問の声を聞きますが、上記からもわかるように筋トレそのものを毎日することは問題ありません。
ただ、同じ部位を毎日するのはNGです。
ここは大事なので、改めて整理すると、
・筋トレを毎日するのは問題ない
・ただ、大筋群などを毎日鍛えるのはNG(週2回の頻度・連日NG)
・腹筋やふくらはぎなどの小さい筋肉は回復が早いので、毎日鍛えてもOK
・疲労そのものが抜けなければ、無理に毎日筋トレする必要はない
・むしろ休んだ方が、後の筋トレ効果が上がる
ということです。
ここは筋トレ初心者の方などは混同しがちなので、ぜひおさえておいてくださいね。
もし疲労回復を早めたい方などは「筋トレ後に行ってほしい疲労回復に効果的な6つの方法」や「オーバートレーニング症候群かも?筋トレのやりすぎで起こる症状と5つの対策」も参考にどうぞ。
今回は、筋トレ時における分割法・メニューの組み方などを解説しました。
・分割法は、1週間の中で分割的に筋トレを行うこと
・分割の仕方は決まりがなく、基本的には自由
・ただ、同じ部位を連日トレーニングしないこと
・腹筋や前腕などは回復が早いため、毎日でもOK
・分割法のメリットは、1日の精神的・肉体的な疲労が軽減できること
こういった内容をお伝えしました。
今回の内容が少しでも参考になればうれしく思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
その他にも筋トレ関連の記事もあるので、こちらもあわせて参考にどうぞ。
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