腹筋をすると腰が痛くなるという悩みは、腹筋の“やり方”を変えることで「腰に痛みが出ず」に鍛えることができます。
また、腸腰筋と言われる筋肉を緩めることで、腹筋で発生した腰痛も改善することができます。
この記事では、
・腹筋で腰が痛くなる原因
・腰を痛めない3種類の腹筋の鍛え方
などをパーソナルトレーナー歴11年の僕(@izuru_style)が解説します。
今回の記事の内容
腹筋で腰が痛くなる原因
腹筋で腰が痛くなる原因は、主に以下のことが考えられます。
腸腰筋にストレスがかかって腰が痛くなる
腹筋で腰が痛くなる主な原因は、
腸腰筋などの筋肉に、過度なストレスがかかっているから
です。
腹筋の1つに腸腰筋(ちょうようきん)という、みぞおちから太ももの付け根についている筋肉があるんですね。
この筋肉は、
骨盤を前傾させる
という特徴があり、いわゆる「腰を反らせる」という働きをします。
腹筋をしている最中過度に腸腰筋がストレスを受けると、イメージ的にはこういう姿勢の変化が起こります。
過剰に骨盤が前傾してしまって、そのストレスに耐えられなくなると、腹筋の最中や終わった後に腰に痛みが出るということが起こります。
特に腸腰筋へのストレスが強いのは、以下のような腹筋ですね。
レッグレイズで腸腰筋に過度なストレスがかかる
腹筋の種目の1つに、「レッグレイズ」という方法があります。
レッグレイズというのは、
仰向けの状態で、膝を胸に引き寄せる
という動作のトレーニングです。
詳しいやり方などは、以下の記事で解説しています。
こういった腹筋をするときに腰に痛みが出る方もいますが、主な問題点は2つあります。
1、膝を胸に引き寄せる動作を繰り返す
2、脚を下ろすとき、腰が反ってしまう
前者の原因はこういう腹筋方法なので致し方ありませんが、問題は②です。
脚を伸ばしていくとき、自分ではそうなっていないつもりでも、腰がグッと反ってしまう場合があります。こういったイメージですね。
この動きで、腸腰筋や腰へ大きなストレスがかかります。
おそらくレッグレイズ中に腰が痛くなる方は、
・脚を下ろす局面
・伸ばした脚を胸に引き寄せようとする局面
こういったタイミングで腰に痛みが出ていませんか?
これらすべてのタイミングで、腸腰筋に過度なストレスがかかっているんですね。だから腰の痛みが出てしまう。
もちろんこの種目だけではなく、その他にも以下のような腹筋が原因で腰に痛みが出ることも考えられます。
その他の腹筋で腰が痛くなる理由
シットアップというシンプルに身体を丸めながら起こすという腹筋でも、腰が痛くなる方もいると思います。
先ほどお伝えした腸腰筋は、
膝と胸の距離が近づくとき、ストレスを受ける
という特徴があります。日頃から反り腰気味で腸腰筋が硬い。
そんな方は、以下のようなオーソドックスな腹筋をしても腸腰筋に過度なストレスがかかり、腰に痛みが出ることがあるんですね。
ブレーキ動作で腰を痛めやすい
また一般的な腹筋をするときに、身体を下ろしていく局面でブレーキをかける動作が強調されている場合も腰が痛くなる可能性があります。
こういった動作ですね。
特に筋トレ初心者の方であれば、身体を丸める腹筋ができないケースがあります。
そんな方は勢いをつけて身体を起こし、そこから身体を下ろしていく局面を強調してやりがち。
そうすると、腸腰筋にエキセントリックな刺激といって、非常に大きなストレスがかかってしまいます。先ほどご紹介した、レッグレイズの脚を下ろす動作も同じですね。
こういった動作では、腸腰筋が伸ばされながらストレスを受けるため、腰に大きな負担がかかります。
このストレスに耐えられないときに、腰に痛みが出てしまうというわけです。
ですので、腰が痛くならないように腹筋をする1番のポイントは、
腸腰筋に過度なストレスがかからないような方法で、腹筋を行う
ということですね。
腹筋が弱いから腰が痛むのではない
上記のような解説を聞くと、「結局は腹筋が弱いから腰が痛くなっているのでは?」と思うかもしれません。
確かに、
腹筋が弱いから腰が痛む
ということも1つの原因ではあります。ただ多くの問題点は、腹筋そのもののやり方にあります。
後程腹筋のやり方などをお伝えしますが、腹筋のやり方を変えることで腰の痛さは改善するはずです。
これを体感していただき、あとはその腹筋の方法を継続してもらえればOKです。続いては、腰が痛くならない腹筋の鍛え方をご紹介していきますね。
腰を痛めない腹筋の鍛え方①:座って腹筋を行う
腰を痛めない腹筋でまずやりやすいのが、
・座ったまま
・立ったまま
などで行う腹筋です。
これは腸腰筋などにかかるストレスを軽減しつつ、腹筋をしっかりと鍛えることができます。
この方法は、以下の記事で詳しく解説しているのでこちらを参考に実践してみてください。
ここでご紹介しきれていない方法もお伝えしますね。
座って息吐き腹筋
1、まず椅子に座る
2、お腹を丸めるように骨盤を後傾させる
3、このとき、口から強く息を吐く
4、骨盤の位置を元に戻す
5、これを20回×3セット行う
座ってドローイン腹筋
1、まず椅子に座る
2、お腹を目一杯凹ませる
3、お腹を丸めるように骨盤を後傾させる
4、このとき、口から強く息を吐く
5、骨盤の位置を元に戻す
6、これを20回×3セット行う
座ってドローインローテーション
1、椅子に座って、お腹を目一杯凹ませる
2、片側のお尻に体重を乗せる
3、口から息を吐いて、体重を乗せたお尻と逆方向へ身体を捻る
4、身体を真ん中に戻す
5、同じ要領で、逆方向へ身体を捻る
6、これを20回×3セット行う
フロントダンベルプレス
1、椅子に座って、軽く骨盤を前傾させる
2、体幹を固めるように、力を入れる
3、胸の前でダンベルを持つ
4、体幹を固定して、頭上にダンベルを持ち上げる
5、お腹に力を入れ続け、10回×3セット行う
ただ身体を丸めるだけではなく、座った状態でも腹筋を鍛えられるので、こういった腹筋はおすすめですね。
続いては、立った状態でできる腹筋の方法をご紹介します。
腰を痛めない腹筋の鍛え方②:立って腹筋を行う
立ったままで以下のような腹筋を行っても、十分腹筋を鍛えることができます。
1、連続的に身体を丸める
1、脚を肩幅に開く
2、両手を耳に沿え、身体を丸める
3、腹筋に力を入れる
4、連続的に小さく身体を丸める
5、これを限界まで×3セット行う

限界まで追い込み切ると、これだけでも腹筋を割ることができます!
もし腹筋を割りたい方は、「割れない原因も解説!腹筋(お腹)をバキバキに割る5つの方法」も参考に実践してみてください。
2、連続的に身体を斜め方向に丸める
1、脚を肩幅に開く
2、両手を耳に沿え、身体を軽く丸める
3、腹筋に力を入れる
4、連続的に小さく斜め方向に身体を丸める
5、これを限界まで×3セット行う
3、サイドベント
1、脚を肩幅に開く
2、身体の真横で、片手でダンベルを持つ
3、横腹を伸ばすように、身体を横向きに倒す
4、腹筋に力を入れながら、身体を逆方向へ倒す
5、これを限界まで×左右3セット行う
こういった種目は腰を痛めづらいので、腰痛で悩む方にもおすすめですね。
続いては、寝ながら行える方法などをご紹介します。
腰を痛めない腹筋の鍛え方③:寝ながら腹筋を行う
寝ながらできる腹筋は、以下の方法がおすすめです。
1、太ももタッチ腹筋
1、仰向けになり、両膝を90度に曲げる
2、両手を太ももの前側の置く
3、軽く顎を引き、手を滑らせるようにへそをのぞき込む
4、肩甲骨が軽く浮くぐらいまで頭を持ち上げて下ろす
5、これを限界まで×3セット行う
2、両手突き上げ腹筋
1、仰向けの状態で両膝を90度に曲げる
2、両腕を前にならえの状態にする
3、指先まで伸ばし、軽く顎を引く
4、ここから指先で天井をタッチしにいくように腕を上方へ伸ばす
5、このとき、余裕があれば頭も数㎝持ち上げる
6、そして、頭や腕を下げこの動作を繰り返す
7、これを限界まで×3セット行う
3、両腕捻り腹筋
1、仰向けの状態で両膝を90度に曲げる
2、両腕を前にならえの状態で手を合わせる
3、顎を引き、軽く状態を浮かせる
4、その状態で両腕を左右に捻る
5、これを限界まで×3セット行う
4、プランク
1、前腕を地面につき、腕立て伏せの状態になる
2、肩から踵を一直線にし、キープする
3、これを限界まで×3セット行う
5、プランクローテーション
1、前腕を地面につき、腕立て伏せの状態になる
2、肩から踵を一直線にし、キープする
3、体幹を捻り、骨盤を左右に移動させる
3、これを限界まで×3セット行う
こういった種目も腰を痛めずに腹筋を鍛えられるので、これもおすすめですね。
腰を痛めないために腹筋後にしてほしいこと
上記のような腹筋は、腰を痛める可能性は非常に低いです。
ただ、どのような腹筋をするにしても先ほどお伝えした「腸腰筋」などの筋肉は硬くなりがち。
ですので腹筋が終わった後は、以下のような方法で腸腰筋などの筋肉を緩める習慣をつけましょう。
腸腰筋を緩める方法
この方法は「反り腰も改善!腸腰筋や腰が硬い原因と柔らかくする5つの方法」で詳しく解説しているので、こちらを参考に実践してみてください。
全身の筋肉を緩める
腰痛で悩まれている方は、以下の動画内容を実践するとより腰回りは楽にできるので、こちらも参考にどうぞ。
バランスボールでストレッチング
また腹筋をした後は、以下のようなバランスボールでストレッチングもおすすめです。
1、バランスボールに座る
2、へその真裏辺りを、ボールの頂点に乗せる
3、脚を肩幅に開き、仰向けになる
4、両手も万歳し、この状態で2分間伸ばす
こういった内容で、腹筋をした後にお腹周りを緩めることで、より腰痛が出ないで腹筋をすることができます。
腰を痛めない腹筋をするための注意点
腹筋をするときの注意点は、以下の通りです。
ブレーキ動作を強調しすぎない
原因のところでも解説しましたが、
・身体をゆっくり下げる
・脚をゆっくり下げる
このような局面で、腸腰筋などの筋肉は過度に伸ばされます。
こういった刺激は腸腰筋を硬くするため、腰痛が出たり出そうなときは、ブレーキ動作をしないようにしましょう。
痛みが出ない腹筋を続ける
必ず前提にすることは、痛みがない状態で腹筋を続けることです。
痛みがあるということは、
今の自分には適さない
というサインでもあるため、それを続けていても痛みが増すばかり。
ですので、必ず痛みのない状態で腹筋をするようにしましょう。
自分に合った強度で行う
先ほどさまざまな腹筋をご紹介しましたが、上記の腹筋は比較的強度は低めの内容が多いと思います。
とはいえ、それぞれしっかり追い込めばそれなりの成果を実感できます。
雑誌やネットで紹介される腹筋は、かなり強度の高いものもあるんですね。強度が高すぎると必ずといっていいほど腰痛は出てしまう。

ですので、必ず自分にあった強度で腹筋をするようにしましょう!
こういった注意点も抑えつつ、腰が痛くならない腹筋をぜひ参考に実践してみてください。
今回は以上です。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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